Qualcomm、新充電規格「Quick Charge 5+」を発表。速度より発熱抑制を重視、既存デバイスも対象

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Qualcomm は 2025 年 9 月 10 日(現地時間)、新しい急速充電規格「Quick Charge 5+」を発表しました。

2020 年に発表された Quick Charge 5 から 5 年ぶりとなる今回のアップグレードは、充電速度の向上よりも、充電中のデバイスの発熱を抑制し、より安全で効率的な充電を実現することに重点を置いています。

また、後方互換性により、多くの既存スマートフォンユーザーもこのアップグレードを受けることができます。

目次

Quick Charge 5+ の主な特徴

Quick Charge 5+ の最大の特長は、充電中のデバイスの過熱リスクを低減するために設計されている点です。

Qualcomm によると、この新規格はより低い電圧とより高い電流(最大 20V / 7A)を利用することで、発熱を最小限に抑えます。

これにより、特にゲームプレイ中などの高負荷なタスクを充電しながら行う場合でも、パフォーマンスの安定が期待できます。デバイスが「インテリジェント」に状況を判断し、最適な電圧と電流を調整することで、効率的な電力供給を実現します。

とくに充電中の発熱は、スマートフォンのバッテリーセルに継続的なストレスを与え、寿命を縮める一因となります。

Quick Charge 5+ は発熱を抑えることでバッテリーへの負荷を軽減し、長期的なバッテリーの健全性維持に貢献する可能性があります。

既存のデバイスでも利用可能

Quick Charge 5+ のもう一つの大きな利点は後方互換性です。Quick Charge 2.0 以降の規格に対応したデバイスとアクセサリで利用可能となっており、Quick Charge 1.0 のみが対象外です。

これにより、ユーザーは必ずしも最新のスマートフォンに買い替える必要はなく、対応する充電器を使用することで、現在所有しているデバイスでもより低温で効率的な充電が可能になります。

Snapdragon 以外のデバイスもサポート

Quick Charge 5+ は、USB-PD (Power Delivery) および PPS (Programmable Power Supply) 規格との互換性を維持しています。

そのため、Qualcomm の Snapdragon チップセットを搭載したデバイスだけでなく、MediaTek、Samsung Exynos、Google Tensor などを搭載したスマートフォンでもシームレスに動作します。

OnePlus が採用する SuperVOOC など、他社もすでに低電圧アプローチによる発熱抑制に取り組んでいますが、業界標準とも言える Quick Charge がこのアプローチを採用したことで、より多くのデバイスで安全な急速充電が普及することが期待されます。

今後の展開

Qualcomm は、数週間以内に開催予定の「Snapdragon Summit」で発表される新しいデバイスが Quick Charge 5+ をサポートすることを示唆しています。

また、Quick Charge 5+ に対応したアクセサリは、2025 年後半に市場に登場する予定です。

出典: Qualcomm, 9to5Google, Android Authority

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著者情報

HelenTech の運営をしている 尾村 真英 です。これまでに 50台以上の Chromebook をレビュー しており、主に小規模事業者を対象に Chromebook や Google Workspace の導入・活用支援も行っています。
現在は、Chrome Enterprise 公式ユーザーコミュニティのモデレーターとしても活動中で、Professional ChromeOS Administrator 資格を保有しています。

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