Android 16 では、電源ボタンを 2 回押すことで Google ウォレットを素早く起動できるショートカット機能が追加されています。これにより、外出先でのカードや交通系 IC カードの切り替えがこれまで以上にスムーズになります。
しかし、この便利な機能は Pixel 8 シリーズ以降の新しいデバイスに限定されており、Pixel 7 Pro のような旧モデルでは利用できないことがわかりました。技術的な制約があるとは考えにくく、Google もこの機能制限について明確な理由を説明していません。
Android 16 の新機能は Pixel 8 以降に限定
Android 16 QPR2 Beta 1 が動作する Pixel 8 Pro では、「設定」 > 「システム」 > 「ジェスチャー」 の中にある「電源ボタンを 2 回押す」という項目で、カメラと Google ウォレットのどちらを起動するか選択できます。

一方で、Android Authority によると、同じ OS バージョンが動作する Pixel 7 Pro ではこの項目が存在せず、従来の「カメラをすばやく起動」のオン・オフ設定しか表示されません。この現象は特定のデバイスに限らず、複数のユーザーから同様の報告が上がっています。
Google は意図的な機能制限であることを認める
この件に関して Google の広報担当者は、「新しいウォレットショートカットは、今後数週間でインドとロシアを除く、Android 16 を搭載した Pixel 8 以上のスマートフォンに展開される」と回答しました。
この回答により、Pixel 7 Pro などの旧モデルで機能が利用できないのは不具合ではなく、意図的な仕様であることが確認できます。しかし、なぜ Pixel 8 以降のモデルに限定したのか、その理由については明らかにされていません。
また、声明では新しい UI(ユーザーインターフェース)がインドとロシアでは利用できないことにも触れられていますが、ショートカット機能自体はこれらの地域でも動作するとのことです。
この地域差の理由も不明ですが、市場特有の判断や、ロシアにおける Google サービスの提供状況などが関係している可能性があります。
技術的な制約はなく、意図的な制限の可能性
Android Authority によれば、Android のオープンソース版である AOSP では、このショートカット機能はデフォルトで無効化していません。
Google が特定の内部設定値を変更し、旧モデルの Pixel では電源ボタンの 2 回押しがカメラ起動にしか機能しないよう、意図的に制限しているようです。
そのため、この機能制限に技術的な理由はない可能性が高いと考えられます。
非対応である Pixel 7 Pro でこの設定値を手動で変更すると、Google ウォレットのショートカットが問題なく利用できたとの報告もあります。
ハードウェアとしてカメラを起動できるのであれば、同じ操作でウォレットアプリを起動できない技術的な理由は考えにくく、この制限は人為的なものであると推測されます。
まとめ
Android 16 の便利な新機能が、明確な技術的理由がないまま旧モデルで利用できなくなっている状況です。
Google がこの制限について透明性のある説明をしていないため、ユーザーとしては疑問が残ります。今後のアップデートでこの方針が変更されるかどうかが注目されます。