Google の幹部が、同社のスマートフォンプログラムにおいて、なぜ「Pixel」が過去の「Nexus」よりも優れているのかについて、具体的な理由を説明しました。
その中心にあるのは、パートナー企業と連携していた Nexus とは異なり、Pixel は自社開発であるため、複数年にわたる野心的なアイデアを実現しやすいという点です。
Nexus と Pixel プログラムの違い
2016年に登場した「Pixel」シリーズ以前、Google は「Nexus」というブランドでスマートフォンを展開していました。
Nexus は、Google が設計し、LG や Samsung、HTC といった他の Android メーカーが開発・製造を担当する、パートナーシップに基づくプログラムでした。
一方で「Pixel」は、Google がソフトウェアだけでなく、ハードウェアの多くも自社で手がけるアプローチを採用しています。この方針転換が、長期的な視点での製品開発を可能にしました。
長期的な開発が Pixel の強み
Made By Google Podcast に出演した、Google の製品管理担当副社長であり、初代 Pixel チームのメンバーでもある Venkat Rapaka 氏は、Nexus プログラムでは毎年のようにデバイスのパートナー企業が変わるため、1年以上の開発期間を要するアイデアの実現が困難であったことを認めました。
同氏は、自社開発の利点として、Google 独自のプロセッサである「Tensor」プログラムを挙げました。Tensor の開発は数年を要する非常に困難なプロジェクトであり、パートナーが毎年変わる状況では、このような長期的な取り組みは難しかったと説明しています。
実際に、Pixel シリーズでは Tensor チップ以外にも、Soli レーダーや温度計、Qi2 充電用の内蔵マグネットなど、野心的な機能が搭載されてきました。
また、IP68 の防水性能を持つ初の折りたたみスマートフォン「Pixel Fold 10 Pro Fold」のようなユニークなデバイスも、Nexus プログラムでは実現が難しかったと考えられます。
まとめ
Google の Pixel プログラムは、Nexus 時代のパートナーシップモデルから自社開発モデルへと移行したことで、Tensor チップのような複数年にわたる大規模なプロジェクトを実現可能にしました。
このアプローチにより、Google はスマートフォンの開発と設計において、より大きな裁量権を持ち、野心的なアイデアを追求できるようになったと言えます。