Google は、2025 年 12 月に安定版のリリースが予定されている Android 16 QPR2 のベータ版において、スマートフォンの盗難対策を強化する「ID チェック」機能の拡張を導入したことが報告されました。
このアップデートにより、たとえスマートフォンのロック解除用 PIN やパターンを知られてしまったとしても、より多くのアプリを不正アクセスから保護できるようになります。
「ID チェック」機能の拡張とは
現状の Android では、多くのアプリが生体認証 (指紋や顔) に失敗した場合の代替手段として、画面ロックの PIN やパターン、パスワードによるロック解除を許可しています。これは第三者に PIN を知られた場合、重要なアプリも開かれてしまう可能性があります。
今回、Android 16 QPR2 Beta 1 で拡張された「ID チェック」機能を有効にすると、自宅などあらかじめ設定した「信頼できる場所」以外で、生体認証を要求するアプリを開こうとした際に、PIN など画面ロックによる代替手段を無効化し、生体認証のみを強制するようになります。
これにより、万が一、第三者にスマートフォンと PIN を知られてしまっても、機密性の高いアプリへの不正なアクセスを効果的に防ぐことができます。
設定方法
「ID チェック」は、Android の「盗難対策」機能の一部で、ユーザーが任意で有効にできます。この機能自体はすでに Pixel スマートフォンなどで導入されており、以下の手順で設定できます。
- [設定] > [セキュリティとプライバシー] > [デバイスのロック解除] > [盗難保護] > [ID チェック]
スマートウォッチ連携で利便性も向上予定
さらに Google は、信頼できるスマートウォッチが接続されている場合は、生体認証を不要にする仕組みも開発中です。この機能はまだ利用できませんが、今後のアップデートで追加されることが期待されます。
まとめ
Android 16 QPR2 で強化される「ID チェック」は、スマートフォンの盗難に対する現実的な防御策です。特に公共の場でスマートフォンを操作する機会が多いユーザーにとって、安心感を高める重要なアップデートとなります。
現在はベータ版の Android 16 QPR2 Beta でのみ利用可能ですが、2025 年 12 月頃の安定版アップデートで利用可能になる見込みです。