Google は 2025 年 8 月 18 日(現地時間)、Google ドキュメントに Gemini を活用した新しい音声読み上げ機能を導入することを発表しました。
この機能により、ドキュメントの内容を自然な音声で聞くことが可能になり、アクセシビリティの向上や文章作成の効率化が期待されます。
Gemini による音声読み上げ機能の概要
今回追加された新機能は、ドキュメントの内容を聞きたいユーザーにとって便利な機能です。主な特徴は以下の通りです。
- 自然な音声での読み上げ: Gemini を利用し、クリアで自然な音声でドキュメントの内容を読み上げます。
- 音声のカスタマイズ: ユーザーの好みに合わせて、複数の音声タイプや再生速度を選択できます。
- 利用シーンの多様性: コンテンツを声に出して聞きたい場合や、読みながら情報をより深く理解したい場合、あるいは自身の文章の誤りを見つけたい場合など、様々な目的で活用できます。
この機能は、ドキュメントの作成者と閲覧者の両方が利用できるよう設計されています。
2 つの利用方法
利用方法には、閲覧者がメニューから操作する方法と、作成者がドキュメント内に再生ボタンを埋め込む方法の 2 種類があります。
閲覧者向けの「このタブの内容を聞く」機能
閲覧者は、Google ドキュメントのメニューから簡単に読み上げ機能を利用できます。
- 上部メニューの [ツール] をクリックします
- [音声] にカーソルを合わせます
- [このタブの内容を聞く] を選択すると、現在開いているタブのドキュメント内容の読み上げが開始されます

作成者向けの「音声ボタン」挿入機能
ドキュメントの作成者は、閲覧者がワンクリックで音声を聞けるように、ドキュメント内に専用の「音声ボタン」を設置できます。
- 上部メニューの [挿入] をクリックします。
- [音声ボタン] を選択します。
これにより、ドキュメント内に再生ボタンが直接挿入されます。作成者はこのボタンのラベル、色、サイズを自由にカスタマイズすることが可能です。

利用上の注意点と今後の展望
現時点で、この機能にはいくつかの制限があります。
- 対応言語: 英語のみ
- 対応プラットフォーム: デスクトップのみ
日本語への対応やモバイルデバイスでの利用については現時点では言及されていませんが、今後のアップデートで対応が進むことが期待されます。
この機能は、視覚に障がいを持つユーザーのアクセシビリティを大幅に向上させるだけでなく、移動中など画面を見ることが難しい状況での情報確認や、長文の校正作業における効率化にも繋がるため、幅広いユーザーにとって有力なツールとなる可能性があります。
展開スケジュールと対象プラン
この機能は、Google Workspace の各ドメインに対して段階的に展開されます。
- 即時リリースドメイン: 2025 年 8 月 18 日から 1〜3 日で全ユーザーに展開
- 計画的リリースドメイン: 2025 年 8 月 25 日から 1〜3 日で全ユーザーに展開
利用可能な Google Workspace プランおよびアドオンは以下の通りです。
- Business Standard および Plus
- Enterprise Standard および Plus
- Gemini Education または Gemini Education Premium アドオンを持つユーザー
- Gemini Business または Gemini Enterprise アドオンを持つユーザー
- Google AI Pro および Ultra
管理者は、管理コンソールでユーザーのスマート機能とパーソナライズ設定がオンになっていることを確認する必要がありますが、エンドユーザーは特に設定などは必要ありません。
記事執筆時点では、筆者の Google Workspace アカウントで今回の変更をまだ確認できませんでした。