Google はアプリ開発者向けに、アプリによる過剰なバッテリー消費やパフォーマンス低下の問題を特定しやすくするための新しい分析ツール(指標)を、Google Play Console で提供開始したことを発表しました。
これは開発者向けの機能ですが、Android がバッテリーを大量に消費するアプリを検出する仕組みが改善されることで、ユーザーにとってもデバイスのバッテリー駆動時間の改善や動作に良い影響を与えることにつながる取り組みとなります。
- Google がアプリ開発者向けに Android Vitals をPlay Consoleで提供開始
- アプリによる過剰なバッテリー消費(特にバックグラウンド動作)の特定・改善を支援
- 「長時間ウェイク ロック」や「不適切なフォアグラウンドサービス」の検出を強化
- 開発者がアプリを改善することで、ユーザーもバッテリー持ちや動作速度の向上が期待される
バッテリーが意図せず減る理由
スマートフォンを使っていない間でも、アプリは通知を受け取ったり、データを同期したりするためにバックグラウンドで動作することがあります。しかし、一部のアプリは、次のような動作をユーザーが意図せず実行することがあります。
- 必要ないのに起動し続ける
- 画面がオフでもスマートフォンを「スリープ」させないようにする(=「ウェイクロック」を長時間保持する)
- 通知を表示しながら動作し続ける「フォアグラウンドサービス」を不適切に、または長時間使い続ける
これらが、意図しないバッテリー消費や、スマートフォンの動作が遅くなる原因の一つとなります。
Google の新しい対策
Google は、こうした問題を開発者が自ら発見し、修正できるように、Android Vitals という仕組みを通じて匿名化されたアプリの動作データを収集・分析しています。そして今回、その分析結果を開発者に示す Play Console に、バッテリー消費に繋がりやすい問題点を特定するための新しい指標を追加しました。
特に、以下の点が強化されています。
- 過剰な部分的なウェイク ロック: アプリが画面オフ時にデバイスを不必要に長時間スリープさせない状態(部分的なウェイク ロック)を検出する指標。
- スタックした/長時間のフォアグラウンドサービス: アプリが必要以上に長くフォアグラウンドサービスを使い続けている状態を検出する指標。
開発者はこれらの新しい指標を見ることで、「自分のアプリがユーザーのバッテリーを過剰に消費させていないか」や「バックグラウンドでの動作に問題はないか」を客観的なデータで把握し、アプリのコードを修正することができます。
まとめ
今回の Android Vitals の指標はアプリ開発者向けのものですが、開発者がこれらの新しいツールを活用してアプリを改善することで、アプリの不要なバックグラウンドの動作やリソースを消費するアプリが減り、デバイスのバッテリーが長持ちしたり、動作がより快適になる可能性があります。また、不適切なバックグラウンド動作によるクラッシュや不具合も減ることが期待されます。
出典 : Android Developers Blog (1, 2), 9to5Google